お金

沖縄で生活していると耳に入ってくる模合(もあい)という単語。聞いたことはあるけどどういった仕組みなのか良くわからない方や初めて聞いたという方にも分かりやすく説明していきたいと思います。

模合ってどんな集まり?

ウチナンチュの友人を持つと、毎月決まった日に「今日はモアイなんだ」といってどこかに出かけていく姿を見た経験が、一度は必ずあるのではないでしょうか?しかも、長く付き合いのある友人となれば、「今度、うちのモアイに参加してみる?」なんて声を掛けられた経験がある人もいるのでは?

とはいえ、いまいちその実態が分からないという人も多いはずです。

「ただの飲み会?」

「もしかして、私に黙って誰かと浮気している?」

そんな心配をして、夜も眠れなくなっているあなた。たぶん、それはタダの思い過ごしです。沖縄でよく開かれている「モアイ」は、「模合」と書き、昔から様々なところで行われてきたちょっとした集まりです。でも、その始まりを調べていくと、意外な沖縄の歴史が隠れています。

模合のルーツは庶民向け金融制度だった

18世紀以前の沖縄は、琉球王朝時代の真っただ中でした。首里城の正殿を見学するとその廊下に歴代の王の肖像画が掲げられていますが、これを見てもわかるように、琉球王朝では当時の日本とは全く異なる文化と歴史を持っていました。

王の服装も見た目も、ちょんまげを結った日本の殿様のような姿ではなく、どちらかというと中国の王族のような姿をしています。顎を覆うように長くひげをたくわえ、朱や金を施した華やかな装飾の衣装に身を包み、こちらをにらみつけるようにたたずむ歴代の王の姿は、どう見ても異国の王様の姿のようにみえます。

たしかに、その当時行われていた琉球王朝の制度には、貿易によって交流が深かった中国の影響が色濃く表れています。

特に18世紀半ばといえば、中国に留学し、その後、琉球王朝三司の長となった「祭温(さいおん)」の影響が色濃く表れています。実際に祭温は、中国の科挙を模した「科」という登用試験を実施することで、優秀な官僚を幅広く登用し、様々な制度の実施を進めていきます。

その一つが、現在銀行で行われている「融資」や「借入制度」でした。しかしこれらを利用するには非常に利子が高く、一般的にはほとんど利用することが出来ない仕組みでした。

そこで、なんとか庶民であっても利用できる方法はないかと考え、確立されたのが、現在でも続けられている「模合」のルーツといわれています。

あまり知られていませんが、全国各地にも似たような制度があります!

沖縄で行われている模合と同じような制度が、日本全国にも実は存在します。場所によっては、「頼母子(たのもし)講」または「無尽講」という名称ではあるのですが、沖縄の模合ほどメジャーではありません。

とはいえ、その仕組みはほぼ同じです。毎月決められた金額を全員が積み立て、満期前であっても、入札によってお金を借りることが出来る仕組みです。

ただし、積立満期前に入札した人にとっては返済時に高い利子が付き、逆に満期まで積み立てた場合は、高金利となるため、トラブル防止のために講元(模合で言うところの親)のメンバーの選定はかなり厳しいものがあります。

また、これらを束ねる講元は、必然的に財力やリーダーシップを持った人物が求められますので、地域や一族の有力者がなることが多く、さらにそのメンバーには絶対的な信頼関係を持つ人物や血縁関係のある人物で構成されています。

こうした頼母子講や無尽講のお金は、家の購入資金や財産目的として利用することがほとんどでしたから、沖縄の模合で扱う金額よりも、はるかに高額な単位で行われています。こうしたことから、沖縄でメジャーである模合ほど、一般庶民には浸透していないというだけなのかもしれません。

沖縄の模合だってしっかりしています!

全国各地で見られる頼母子講などと比べると、一回で集める積立金の額や方法なども、メンバーによってかなり自由度が高いため、1人で複数の模合に参加することも珍しいことではありません。

もちろん、悪徳なメンバーが意図的にお金を持ち逃げしたことによっておこる「模合崩れ」が問題となることも少なく在りません。基本的には、メンバー全員の信頼関係が成立していることが模合の前提にはあるのですが、複数のメンバーから一定額のお金を集めるわけですから、お金の管理は必要になります。

そのため、沖縄の文具店では、「模合帳簿」と書かれた専用の模合帳が存在します。

実は、この模合帳の最初のページに、所属する模合のルールを記入する欄が存在します。これを読むと、「沖縄の模合の仕組み」を正しく理解することが出来ます。

模合の目的は「ゆいまーる」だった

ビール

沖縄の方言に、「ゆいまーる」という言葉があります。これは、「相互扶助」という意味があり、沖縄社会では様々な場面で耳にする言葉です。この「相互扶助」ですが、模合帳に記載されている模合規約第一条に、その文字をはっきりと見ることが出来ます。

『第一条 本模合は相互扶助を目的として左記の規約を遵守す』

要するに、「一般庶民向けの金融制度だけれど、あくまでもメンバー同士の助け合いの精神でこの制度を行うということを守りましょう」ということです。

基本的には、一定の金額をみんなそれぞれ積み立てていき、決められた月に全額受け取るのが模合の仕組みですが、希望の場合は自分の番ではなくてもお金を受け取ることが出来ます。

ただし、これは通常とは異なり、落札となるため、やり方が異なります。とはいえ、困っている時に模合のお金を使って何とかしのぐということもよくあるため、ウチナンチュにとってはありがたい仕組みでもあります。

言い換えれば、「普段から付き合いのある人が集まっているのだから、困った時は、みんなでその人のために力を貸してあげましょう」というわけなのです。まさに、ゆいまーる精神!

そのため、模合によっては、お金の積み立てを目的とするのではなく、模合に参加することを名目に、メンバー同士のコミュニケーションを図るというケースもよくあります。

お酒を飲む機会が多い沖縄県民ゆえに、模合と称して気の合う仲間と飲み会を開くというのが一般的な模合のやり方ではありますが、その他にもランチ模合や企業模合など、集まる目的に応じて様々な種類の模合があります。

模合に参加出来るようになったら一人前?

何しろ、毎月同じメンバーで一定期間集まることが前提となっていますから、横のつながりを大切にするウチナンチュにとって模合は、大切なコミュニケーションの場でもあります。

しかも、メンバーに入るということは、その模合のメンバーから信頼されているということの証でもありますから、誘われるとなんとなくうれしい気分になるものでもあります。ですから、あなたも誘われたら、ぜひ気負わずに、メンバーとのコミュニケーションを楽しむ目的で参加してみてくださいね。

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