
沖縄の定番の郷土菓子といえば、ちんすこうとサーターアンダギー。どちらも、お土産の定番ですが、悩むのは「どちらがいい?」ではないでしょうか?そこで、この2つを徹底的に分析してみたいと思います。
ちんすこうの魅力
ちんすこうは、琉球王朝時代から作り続けられている、沖縄の伝統的なお菓子です。材料は、小麦・砂糖・ラードを主原料としていて、控えめな甘さが特徴にあります。
ちんすこうの由来とは?
ちんすこうの由来には、実は、諸説あります。
中国の桃酥に由来?
中国には、「桃酥」と呼ばれる焼き菓子があります。もともとは中国の南部地方で作られていたといわれているのですが、ちんすこうの原料である小麦・砂糖・ラードを使ったカステラのような蒸し菓子だといわれています。
この桃酥を、沖縄の気候に合わせて創作したものがちんすこう、とする説があります。
ボーロに由来?
ポルトガルの伝統的な焼き菓子に、ボーロがあります。このボーロが、シルクロードを通って沖縄に伝わったのが、ちんすこうの原型であるという説があります。
ちんすこうを漢字で書くと金楚糕
一般的にちんすこうは平仮名で表記されるのですが、漢字で書くこともできます。
漢字で書くと「金楚糕」となるのですが、これには、「黄金色に輝く、ほどけるような口当たりの焼き菓子」という意味があるそうです。
もともとは宮廷菓子だったちんすこう
ちんすこうは、もともと、琉球王朝時代、王様や貴族のみが食べることが出来る宮廷菓子。それも、祝いの席でのみ食べることが出来る物だったそうで、非常に貴重なお菓子だったそうです。
伝統的なちんすこうを食べるなら
首里城最後の包丁人から、直々に伝統的なちんすこうの作り方を伝授され、その製法とともに、伝説の包丁人「新垣」の名を継いでいるちんすこうが、3つあります。元祖ちんすこうとも言われているので、興味のある方は是非どうぞ。
琉球菓子元祖本家 新垣菓子店
全行程手作りの為、生産量が少なく、なかなか手に入らないのが、こちらのちんすこう。確実に手に入れたいのであれば、事前に予約をしておくのがおすすめです。
- 住所:那覇市首里赤平町1-3
- 電話:098-884-3413
- 営業時間:月~金曜日 10:00~19:00、日曜日 10:00~17:00
- 定休日:土曜日
- 駐車場:1台あり
有限会社新垣菓子店(新垣ちんすこう本舗)
現在のような、波型のギザギザ模様の形を作ったのが、新垣菓子店です。この独特の形は、アメリカ軍が使っていたクッキー型を使ったのが由来といわれており、今では、多くのちんすこうがこの形を採用しています。
大量生産が出来るようにしたのも、新垣菓子店の特徴。県内各所の土産物品店だけでなく、スーパーや大型量販店などでも取り扱っているため、比較的手に入りやすいちんすこうです。
新垣カミ菓子店
新垣カミ菓子店も、すべて手作りであるため、手に入りにくいことでも有名です。首里城内にあるカフェにも納品しているため、首里城内でも食べることが出来ます。ちんすこう特有のパサパサ感が少ないため、ちんすこうのパサパサ感が苦手な人におすすめです。
- 住所:那覇市首里赤平1-3-2
- 電話:098-886-3081
サーターアンダギーの魅力
サーターアンダギーは、地元では「サーター」または「さとうてんぷら」とも呼ばれている、沖縄では定番のおやつです。
サーターアンダギーの由来
サーターアンダギーは、本島南部の首里地方に伝わる方言に由来があるといわれています。
首里方言では、砂糖は「サーター」、油を「アンダ」といいます。これに、“揚げる”を意味する「アギ」が加わって語尾を伸ばしたものが、サーターアンダギーの由来といいます。サーターアンダギーは、生地に砂糖を加えたドーナツ状のお菓子で、丸い形をしているのが特徴です。
ちなみに、同じ生地を使って四角い形をしているものは、「三月菓子(サングァチグァーシ)」といいます。
白サーターと黒サーターの違い
街中で見かけるてんぷら屋に行けば、必ず売られているサーターアンダギー。サーターいう名称で地元では親しまれているのですが、たまに、メニューの中に「白サーター」「黒サーター」と書かれているのを見かけることがあります。
この「白」と「黒」は、砂糖の種類の違いのこと。精白糖を使った場合は「白サーター」といい、黒糖を使った場合は「黒サーター」というのです。
サーターアンダギーは縁起物だった
地元のおやつという印象が強いかもしれませんが、サーターアンダギーは、沖縄では縁起物のお菓子としても有名です。
サーターアンダギーは、丸い形からぱっくりと割れ目が現れているのが特徴です。この様子が、花が咲いているように見えることから、縁起物とされています。そのため、結納品としても使われます。
結納品として使われる場合には、セットで「カタハランブ―」と呼ばれる揚げ菓子も使われるのですが、これはサーターアンダギーとセットで用いられます。この場合、サーターアンダギーが女性の象徴、カタハランブ―が男性の象徴とされます。
ちなみに、お葬式や法事などでもサーターアンダギーは用いられます。この場合は、球状ではなく、棒状で作られます。
サーターアンダギーの名店
沖縄にはてんぷら屋の数だけ、サーターアンダギーがあるといっても過言でないため、どれがおすすめかというサーター論を始めると、地元人同士で大変な論争が起きてしまうこともよくあります。
とはいえ、せっかくサーターアンダギーを食べるのなら、おすすめの場所があります。
さーたーあんだーぎーの店 安室
地元では「安室のサーター」といわれて親しまれているこのお店は、安室養鶏場が営業しているサーター屋です。こちらのサーターアンダギーは、木酢卵と黒糖を使っているのが特徴。お土産用にパッケージされているものもあります。
- 住所:那覇市首里久場川町1-20
- 営業時間:9:00~18:00
琉球菓子処 琉宮
牧志公設市場の入り口近くに店舗がある琉球菓子処 琉宮では、イートインコーナーも設置されています。
こちらでは、定番のサーターアンダギーのほか、串団子のようになっている一口サイズのサーターアンダギーなどもあります。イートインスペースでは、コーヒーやかき氷などもありますので、市場散策中の休憩場所としてもおすすめです。
- 住所:那覇市松尾2-11-3
- 営業時間:10:00~19:00
松原屋製菓
いろいろな種類のサーターアンダギーが、1個から買うことが出来るのが、松原屋製菓。こちらも、牧志公設市場のすぐ近くにあります。イートインスペースはありませんが、ビニール袋に入れてくれるので、食べ歩きをしながら散策するにはちょうど良いですよ。
- 住所:那覇市松尾2-9-9
- 営業時間:9:00~21:00
ちんすこうとサーターアンダギー、お土産にするならどっち?
ちんすこうとサーターアンダギーは、どちらも沖縄の伝統的なお菓子なので、お土産に持って帰るととっても喜ばれます。
でも、「お土産に向くのはどちらか?」といわれれば、やはり、個別包装されているちんすこうの方が、軍配が上がるかも…。
ただし、散策中に食べ歩きを楽しみたいのであれば、ちんすこうではなく、サーターアンダギーがおすすめです。ちなみに、どちらも口の中の水分が奪われがちですので、食べるときには、飲み物の準備をぜひどうぞ!