台風

台風が接近してくると、なぜかわくわくしてしまうのが沖縄人。でもこれは、台風の恐ろしさを良く知っている沖縄人の「あるあるネタ」です。ですから、うかつに真似をして騒いでいると、大変なことが起こります。

台風の時は傘をさすな!

年中海から吹き付ける強い風にさらされ続ける沖縄では、多少の雨が降っても傘を差さないのがウチナンチュです。何しろ、強い風によって斜めから吹き付けてくる雨は、傘をさしても確実に雨をよけることは不可能ですし、油断するとすぐに傘が折れ、使い物にならなくなります。

時には、土砂降りであっても傘を差さずに、びしょ濡れで移動するウチナンチュの姿を見かけることがあります。でも、傘を壊さない裏技だと考えれば、理解が出来ない話ではありません。

そんなウチナンチュですから、当然ですが、台風の時には傘はさしません。

どうせ傘を開いた瞬間に、見るも無残な姿になり、結局壊れた傘がただの荷物に変わるだけなのです。

ところが、観光客は違います。特に、せっかく旅行に来たのに一日中宿泊所の中で過ごすのはもったいないと考えるのか、無謀にも暴風域の街に出かけようとします。

もちろん、「旅行代がもったいない」という気持ちはよくわかりますから、私は、そんな観光客の姿を見ても止めません。でも、はっきりとここで言っておきます。

『台風では傘をささないで下さい!』

傘

何しろ、壊れた傘は非常に危険なのです!

特に、無料で貸し出してもらえるビニール傘は、本当に危ないのです。第一、ビニール傘がウチナンチュですら恐れる強風に勝てるはずがありません。

他にも、台風の時にこんなことをしていると、確実に大変なことが起こります。

島ぞうりで移動しちゃダメ!

強風だけでなく雨も相当振っている時は、絶対に島ぞうりで外に出てはいけません。

何しろ、沖縄の道路や歩道は、驚くほどよく滑ります。もちろん、道路が濡れていればその危険度はさらにアップします。

特に、強風や大雨の影響で周囲への注意が散漫になりがちなのに、その状況下で足元を注意しながら歩くなんてことは、ウチナンチュであっても絶対にやりません。足元が濡れるのが嫌ならば、着替えの靴下や代わりのサンダルを持参して移動するのが、台風の正しい対処法。決しておしゃれを優先しないでくださいね。

バスが止まれば店が閉まります

沖縄では、公共交通機関である路線バスの運行状況が、市民生活のすべての基準となります。公立学校や幼稚園などは、子どもたちの安全確保のために暴風警報が臨時休校の決定基準となりますが、スーパーや一般企業に関しては、この例に当てはまりません。

基本的には、路線バスが運行を取りやめると、ほとんどの商店が閉まり、一般企業も臨時休業になります。(ただし、本土系列の企業は例外です)。

もちろん、こんな時でも、24時間年中無休のコンビニは頑張り続けています。ですが、残念ながら、店内はものの見事に商品が無くなります。

特に、台風になると停電が起きることもよくあるため、家庭の冷蔵庫が使えなくなることもしばしば。そのため、調理をしなくてもすぐに食べることが出来るパンやおにぎりなどはすぐに売り切れ、次いでカップラーメンなどのインスタント食品が全滅します。

さらに、長い時は24時間以上外出できませんから、ポテトチップスやお菓子などは必需品です。暇つぶしになりそうな雑誌やトランプなどもすぐに売り切れますし、クーラーや扇風機が使えなくなりますから、制汗剤や汗ふきシート等も場合によってはなくなります。

だから、台風の中、お土産を買いに出かける元気があるのなら、一刻も早く、食料品の買い出しに出かけるべきなのです。

実際にどれだけ台風が凄いのかを検証してみよう

台風

ここまで細かく台風の時の沖縄の様子について説明してみましたが、実際に台風を経験したことがなければ、その恐ろしさがあまり伝わってきませんよね?

では、今度は確実にその恐怖が分かってもらえるように、科学的な根拠を挙げてみます。

観測史上最高の瞬間最大風速の71mはこんな感じ

2015年に石垣島を直撃した台風15号。この時、地元に住んでいても思わずニュースを二度見するほどの数字が、発表されました。

『最大瞬間風速71m』

もちろん、この記録は観測史上最高でした。この「瞬間風速」ですが、簡単にいえば、「一秒間にどの程度の強さで風がふいたのか」を表す単位になります。これを時速に変換してみると、「時速255.6㎞」になります。

さて、時速255.6㎞とは、どれくらいの速度に匹敵するのでしょう?

比べてみるのは、世界一速い車といわれている「ヘネシーヴェノムGT」。なんとこの車の最高速度は、時速434㎞!ちょっとスケールが違い過ぎて、時速255.6㎞の凄さが薄れてしまいました。

では、国産車で比べてみましょう。国産車で三番目に早い車が、「ホンダNSX」。

こちらの最高速度が時速280㎞ですから、本気の走りを見せた時のホンダNSXより若干遅いという感じでしょうか。でも、最高速度を出した本田NSXが正面からぶつかってきたときの衝撃が、最大瞬間風速71mの強さに匹敵するのですから、相当な脅威であることがわかります。

最大瞬間風速の凄さを、生き物をモデルにして比べてみた

自然の驚異に科学の力で対抗するのは、どうも納得がいかないというあなたのために、今度は生き物で「瞬間風速71m=時速255.6㎞」の凄さを検証してみます。

まずは、鳥類最強のハヤブサ。獲物を捕らえる時の急降下時のスピードが最高速度となるようですが、なんとこの時の時速が389㎞!残念ながら、こちらはハヤブサの方に軍配が上がりました。

では、鳥類であれば、どの鳥と同じくらいのスピードということになるのでしょう?

実は、タカ類最速と呼ばれる「クマタカ」が、時速250㎞を記録しているので、ほぼ同格になります。タカ類というと、イヌワシやハゲワシの方が早いようなイメージがありますが、記録的にはクマタカの方が最速となっています。

気象庁が基準とする被害の状況から最大瞬間風速71mの凄さを見てみる

気象庁では、「風の強さと吹き方」として台風などの規模を一定の基準をもとに分類しています。気象予報でよく耳にする「台風の風の強さ」というのも、基本的にはこの基準を参考にしており、「やや強い風」「強い風」「非常に強い風」「猛烈な風」として分けています。

もちろん、瞬間最大風速が観測史上最大というわけですから、71mにもなれば、当然「猛烈な風」に分類されます。

この「猛烈な風」の速さですが、気象庁によるとその目安として「特急電車のスピードに該当」としています。ちなみに、瞬間風速が60mになると、家が倒壊したり鉄骨構造物が変形することがあるとしています。ですが、ここで紹介された目安はあくまでも60mを想定した場合ですから、風速71mとなればさらにすごいことが起こるということは予測できます。

危険であっても台風と付き合い続けてきた沖縄

ここまでいろいろ説明してきましたが、結論として最後に伝えたいことは、「台風は危険」という一言に尽きます。

ウチナンチュが台風の接近をなぜか喜ぶというのは、あくまでも、「学校や仕事が休みになるから」という非常にわかりやすい理由があるだけです。

とはいえ、台風ですから休みとはいえ、どこか特別な場所へ出かけることはできません。家でのんびりしたくても、停電によって室内が蒸し風呂状態になることもよくあります。

それでも、夏の水不足を解消してくれるありがたい存在なのが、沖縄の台風。それだけに、台風による被害は大変であっても、昔から前向きに台風と付き合い続けてきた歴史が沖縄にはあるということなのです。だからみなさんも、台風を甘く見て痛い目に遭うのではなく、沖縄の水がめを救ってくれる救世主として、たまにはおとなしく感謝してみましょうね。

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