カチャーシー

結婚式でも夏祭りでも、気分が最高潮になると自然発生するのが、沖縄の伝統的な手踊りの「カチャーシー」。実は、沖縄社会で生きていくには、カチャーシーを知っているだけで得をすることも多いのです。

カチャーシーっていったい?

祝いの席で会場の興奮が最高潮に達すると、老若男女入り乱れて踊りまくるのが、沖縄の手踊りである「カチャーシー」。

観光客向けの居酒屋で、三線の速弾きに合わせて踊った経験があるという人も多いかもしれませんが、実際には何がカチャーシーなのかがわからないまま終わってしまったという人もいるのでは…?

でも、そもそも、カチャーシーというのは、「三線に合わせて踊ること」が正しい意味ではありません。

カチャーシーに必要な三線は、実は三味線のルーツ

沖縄音楽を代表する楽器といえば、三線。そのため、祝いの席で行われるカチャーシーでも、必ず三線が使われます。この三線ですが、その歴史は三味線よりもはるかに古いということを知っていますか?

実は沖縄の三線は、中国福建省で生まれた管楽器である「三弦」が原形となっている楽器です。

もともと沖縄は、中国との貿易が盛んであったため、中国の文化に触れる機会が多い地域でした。そのこともあって、沖縄に中国の三弦が流入し、さらに15世紀以降は、現在の沖縄県及び鹿児島県の奄美群島を範囲とする琉球王国で「三線」として独自に発展していきます。

ちなみに、三味線のルーツとして本土に入るのは、これより後の16世紀のこと。だから、「三味線が三線の原点」ではなく、「三線が三味線の原点」なのです。

「カチャーシー」は沖縄の手踊りのことではない

これは、多くのウチナンチュでもあまり知られていない事ではあるのですが、本来、カチャーシーには踊りを表す意味はありません。正しくは、「音楽」を意味するのが、カチャーシーです。

ちなみに、踊りのことをなんというのかというと、これは「アッチャメー」といいます。でも、このアッチャメーとカチャーシーの意味の違いを知っているのも、年配のウチナンチュだけになってきました。

さて、現在の「カチャーシー」はどんな立場にあるかというと、「アッチャメー」と「カチャーシー」を合わせて表現したものとなっています。沖縄の踊りといえば、沖縄独自に発展した「三線」が必ず関わってきます。もちろん、祝いの席で踊られる手踊りにも、三線はつきものです。

そういうこともあって、「三線に合わせて踊る踊り方のこと」を、現在では「カチャーシー」といっているわけなのです。

カチャーシーで使われる音楽や踊りは地域によって違う

実は、カチャーシーで使われる音楽や踊りには、地域によって違いがあります。

沖縄本島

沖縄本島では、一般的に「カチャーシー」と呼びます。踊り方も、両手を頭の上に挙げ、空気をかき回すようなイメージで手を動かします。

使われる音楽は、「唐船(とうしん)ドーイ」がメイン。ちなみに、この「唐船ドーイ」とは、「中国からの船が来たぞー」という、なんともシンプルな掛け声。

お祝いの席で、まさかこんな掛け声から始まる踊りが踊られているということは、若い世代のウチナンチュでも知らないはずです。

宮古島

宮古島では、カチャーシーではなく「クイチャー」が踊られるのが一般的です。

クイチャーの由来は、いろいろあるため正確にはどれが正しいのかはわからないのですが、「声(くい)に合わせる(ちゃー)」という説は、現在の「クイチャー」の様子をうまく表現していると思われます。

ちなみに、クイチャーは、本島のカチャーシーのように自由気ままに参加者が踊るというものではありません。イメージとしては、本島の盆踊りが一番近く、円陣を組んで、皆一斉に同じ踊り方で踊ります。

ただ、このクイチャーには、宮古島が歩んできた様々な歴史が深く関係しています。琉球王国時代から本土支配圏下における苦労などから、その時代ごとにクイチャーで歌われる歌にも違いがあります。ですが、そのルーツは、神々への祈りであったといわれています。

そんなクイチャーも、最近では新しい時代にあったものへと変化が見られ、若者たちの中でもかなり浸透してきました。そのこともあって、毎年11月初旬に行われる「クイチャーフェスティバル」には、県内外から多くのクイチャーファンが宮古島に集まってきます。

奄美大島

奄美大島では、カチャーシーではなく「手舞い」「手踊り」と呼びます。踊り方も、沖縄本島のように男女によって踊り方を分けることはせず、基本的には同じ動作で踊ります。

とりあえず覚えておけば、何とかなるカチャーシーの踊り方

沖縄では、「喜びは多くの人と分かち合い、悲しみは多くの人で支え合う」という考え方があります。ですから、沖縄と関わり続ける限り、いつかはあなたにもカチャーシーを披露しなければならない日がやって来ます。

はっきり言っておきますが、移住歴が長くなるほど、カチャーシーが踊れないというのは、恥ずかしいものです。ですから、同じ恥なら、さっさと捨ててしまうのがサムライ魂!それでは、いざ、カチャーシーの世界へ!

とりあえず、これだけ覚えておこう

カチャーシーには、男女で手の形が違います。ここを間違えると、「やっぱりナイチャーね」と笑われてしまいます。

踊りの出来栄えは、ナイチャーが踊る分には評価の対象にはなりません。なによりも、「沖縄のことを知っているのね」という好印象を与えるこのルールを、必ず覚えておいてください。

男はグー、女はパー

これが、カチャーシーのルールです。ですから、女性なのに手を握って踊れば、「あの人、ずいぶん勇ましいわね」と言って笑われます。

初心者ほど、早めにステージへ!

カチャーシーは、音楽が始まってから、次々とステージに人が駆け寄り、最終的にステージ上で盛り上がるというのがパターンです。ですからカチャーシー初心者が、ステージに駆け上がるタイミングを間違えると、「何やってんだよ!」となります。

基本的に、上手な人がエンディング部分でステージの中央に押し出され、堂々とカチャーシーを披露して終了するのが流れです。

とはいえ、もともとが恥ずかしがり屋の気質があるウチナンチュは、いきなりトップバッターで飛び出してくる人がほとんどいません。そのため、そういう役をかってでる人ほど称賛されます。

ここが、チャンスです!

トップバッターでステージに駆け上がる人は、踊りの内容ではなく、その心意気にみんなが沸いてくれます。だから、ウチナンチュであろうが、ナイチャーであろうが、会場中がその勇気を称えてくれます。

実際に、私はこの必勝パターンでここ10年乗り切っています。はっきり言いますが、私のカチャーシーのレベルは超初心者クラスです。それでも、この必勝パターンを掲げるようになってから、踊りの下手さを指摘されることが無くなりました。

どうにも踊れない時は、年配のウチナンチュのそばで、座って手を振る

カチャーシーは、わざわざ立ち上がって踊らなくても、実は問題はありません。というのも、「自分が一番格好よく見えるスタイルで踊る」というのが、カチャーシーの本来の楽しみ方。そのため、年配のウチナンチュは、椅子に座ったままかっこよく手踊りで見せてくれる人も多いのです。

ですから、どうしても踊れない場合には、そういう人を見つけ、そっと隣に座り、温かく見守るような視線で、オジィやオバァの動きに合わせて手を動かしていれば、なんとなくカチャーシーの輪の中に入っているように見えます。

なによりも、「自分一人だけ何もしない」というのは、沖縄のカチャーシーにとってNGなのです。

一緒に喜び合うという姿勢が大事

沖縄に長くかかわっていれば、結婚式だけでなく、ビジネスの中でも祝賀会や新年会など祝いの席に参加することもあるでしょう。

そんな時には、必ずといってよいほどカチャーシーが宴の締めとして登場します。

でも、「わからないから踊らない」というナイチャーの言い訳は、ウチナンチュに一番嫌われる返し方。喜びを皆で分かち合いたい、というのがカチャーシーの精神ですから、カチャーシーを踊らないということは、ウチナンチュの精神を否定されたことにもなります。

上手・下手は、カチャーシーにとってほとんど関係ありません。ですから、ぜひ、勇気をもって参加してみましょうね!

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