シュノーケル

珊瑚に囲まれた沖縄の海の透明度は、本土の海とは比べ物にならないほど高いため、毎年多くの観光客が、シュノーケルを楽しみにやってきます。でも、その裏で死亡事故が絶えないことも、忘れてはいけません。

沖縄の海は、決して安全ではない!

砂浜に出れば、目の前にはコーラルブルーの海が広がる沖縄では、浅瀬であっても色鮮やかな熱帯魚たちを間近に見ることが出来ます。そのため、スキューバダイビングよりも手軽に沖縄の海を楽しむレジャーとして、シュノーケルは人気があります。

でも、穏やかに見える沖縄の海には、見た目の美しさでは想像もつかないような恐ろしい危険が潜んでいます。

うっかり触れると命の危険!沖縄の海に潜む危険な生物たち

沖縄には、美しいサンゴや魚たちに交じって危険な海の生物たちと出会うことがあります。特に沖縄では、こうした危険な生物に触れたことによって死亡した例も少なく在りません。

1929年から1992年までに行われた沖縄県の統計によると、ウミヘビ類での死亡が8名、ダツ類による死亡が7名のほか、サメやハブクラゲ、アンボイナガイなどでも死亡した例が報告されています。

特に恐ろしいのは、「殺人クラゲ」として恐れられているハブクラゲです。そのため、海水浴場ではハブクラゲ侵入防止ネットを使って安全が確保されているのですが、管理されていないビーチなどでは、こうした対策が行われていませんから、非常に危険であるといえます。

しかも、管理者のいないビーチでは、万一被害に遭ったとしても、応急処置の対応が出来るスタッフがいませんから、重篤な症状を引き起こす危険性が高まります。

シュノーケルは危険なレジャー?

簡単な道具で手軽に楽しむことが出来るイメージが強いシュノーケルですが、そのイメージが、重大な水難事故の原因となっているとも考えられています。

水難事故は死亡事故につながりやすい

沖縄県では、毎年多くの水難事故が発生しています。沖縄県警が発表している平成28年の水難事故に関するデータを調べてみると、なんと昨年1年間で49件の事故が起こり、そのうち、27人が死亡、1名が行方不明となっています。ということは、ひとたび水難事故が起こると、約半数の人が命を落としているということになります。

では、この中で、観光客による水難事故はどれくらいあるのでしょうか?

これもデータを見る限りでは、平成28年の一年間で18件となっており、そのうちの半数にあたる9名が死亡しています。もちろん、県民のなかでも死亡につながる水難事故が発生する割合は高く、平成28年度では、28件の水難事故が発生したうちの17名が、死亡しています。

観光客は、シュノーケルでの死亡事故が多い

さらに死亡者が発生した水難事故の原因を詳しくみてみると、観光客と沖縄県民では、大きな違いがあることがわかります。

沖縄県民の水難事故の場合、魚とり中に起きた事故が最も多く、全体の28%にあたる8人が事故に巻き込まれ、そのうちの6人が死亡しています。ところが、シュノーケルと遊泳中に関しては、それぞれ3件ずつ事故が発生しているにもかかわらず、死亡は1名しか出ていません。

これに対して観光客のデータを見てみると、圧倒的にシュノーケルやダイビング中による水難事故の発生率が高いことがわかります。

全体の事故発生数は18件ですが、このうちシュノーケルとダイビングは、それぞれ6件ずつ発生しており、そのうちシュノーケルでは4名、ダイビングでは3名の死者が出ています。ところが県民の間では最も多かった「魚とり中の事故」は、観光客の場合は一件も起きていません。

シュノーケルで注意しなければいけないことは?

シュノーケル

シュノーケルによる水難事故を検証してみると、危険な海洋生物との接触のほかにも、実は原因があることが分かってきました。

サンゴ礁を甘く見てしまった

沖縄の場合、サンゴ礁が島全体を取り囲んでいることもあって、比較的遠浅なビーチが多いのが特徴です。浅瀬にあるサンゴ礁の上は、波も穏やかですし、潮の流れもゆっくりとしています。

ところが、沖縄の海は、突然深くなっていることがよくあります。しかも、こういう場所は、波も高く、潮の流れも急激に変わります。

さらに、「リーフカレント」といって、外洋へ流れ出る強い潮の流れが発生する場所も点在しています。ひとたびこのリーフカレントに巻き込まれてしまうと、恐ろしいスピードで陸から離されてしまい、あっという間に漂流してしまいます。

特に、シュノーケル中は、周りの状況を判断できないまま長時間漂流してしまうことも多く、非常に注意が必要です。

パニック状態に陥って呼吸困難

安全にシュノーケルを楽しむためには、事前に講習を受けておくことが、本来であれば必要なレジャーです。

というのも、呼吸のために使用する筒状の筒に、誤って水が入った時に行わなければならない「シュノーケルクリア」が出来ないうちにシュノーケルを行うと、非常に危険だからです。

シュノーケルの場合、筒の先端に取り付けたノズルを口にくわえ、反対側の筒の先端を海上に突き出した状態にすることによって、海中に顔を付けたままの状態でも長時間泳ぎ続けることが出来る仕組みになっています。

ですが、何らかの原因でこの筒の中に海水が流れ込むと、一気に海水が口の中に入ってきます。この時の処理として行うのが、シュノーケルクリアです。もしもこのシュノーケルクリアがきちんとできず、誤って海水が肺にまで入ってしまうと、呼吸が出来なくなりますから、一瞬でパニック状態に陥ります。

この時に、適切に対応できる人がそばにいれば、事故を未然に防ぐこともできるでしょうが、多くの場合、パニック状態に陥っていることに周囲が気付かず、結果として死亡事故につながってしまうということが起きてしまうのです。

手軽に楽しめるからこそ危険なシュノーケル

シュノーケルは、ダイビングのようにライセンスを取らなくても、沖縄の美しい海の中を自由に見て楽しむことが出来るマリンレジャーでもあります。しかも、シュノーケル・マスク・フィンの3つがあれば特に講習を受けなくてもできますし、こうした道具も、場合によっては百均ショップでもそろえることが出来ます。

ですが、こうした気軽さが、結果として重大な事故を引き起こす原因になっています。

特に、沖縄の海は、本土の海とは全く違った特徴があります。さらに、亜熱帯地方特有の天候の変化など、自然そのものが本土とは異なります。せっかくの沖縄でのマリンレジャーなのですから、安全かつ安心してシュノーケルを楽しむことが出来るように、まずは気持ちを引き締めるということが大切です。

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